Projects

風が地を触れる
2021 –
・展示記録
本作は、デジタル画像の操作によって消されるイメージ(あるいはデータ)と、2000年頃に「ホームレス排除」が行われたとされる場所を絡めて制作しています。対象となった都市公園を撮影した後に、画像編集ソフトウェアを用い、画像の表面をぼかして広げる加工を行うことでイメージを作り上げています。このように画像に対して過度な操作を行うことで、見えにくくなった排除の痕跡と暴力性を浮かび上がらせられたらと思います。

2023 ー
2020 年、北部エリアとテレビ塔エリアが再整備され、商業施設と公園が一体化した「Hisaya-odori Park(久屋大通公園)」。公園内は補装され、似たような建物が公園を囲み伐採された木々の代わりかのようにあちこちへと植栽が行われてきました。
本作品は、Park-PFI 法を機に変容した都市公園を記録したものである。その第一作として、名古屋都心に位置する「Hisaya-odori Park」を取り上げています。デジタル画像合成を用いて、一見整然と見えるようでちぐはぐが残る都市公園の景観から、整いゆく現在への違和感を立ち上げることを試みています。

眠る家 ー飛驒市古川町ー
2024 –
#1 / #2
家は、雨風をしのぐ建物であると同時に、人々の営みの時間が蓄積している。人口減少と高齢化が進む地方では空き家が増えつつあるが、それは単なる社会問題や地域課題としてではなく、生活の痕跡が放置され忘れ去られていくように感じている。亡くなった祖父母の家が解体されるかもしれないという知らせをきっかけに、数年ぶりに飛騨古川の土地を訪れた。
「やっぱり、人がおらんと家も変わっていくからね。」という、隣人の言葉から、空き家とその周りの風景、そしてまちの人々の言葉へ関心が向かっていった。伸びた草木、積もったままの雪。空き家の窓ガラスには、空っぽの空間とまちの風景が重なって映り込む。そこには、祭りや信仰を支え、まちを長らく見つめてきた日常の跡が眠っているようにも感じる。私はそれらの断片を記録し集めることで、失われていくものと続いていくもの、そのあいだに生まれるものを掬い上げたいと考えている。


Tell me to slow down
2025
・展示記録(大名古屋電脳博覧会)
ZINE作品『Tell me to slow down』は、日々のスピードに身体が置いていかれる感覚をきっかけに制作しています。
本作では、スクリーン上で瞬時に情報が流れて消えていく環境の中で、手作業でつくられたZINEという媒体がもつ遅延や身体性に注目しています。そして、その性質を介し、日々の生活のなかで抜け落ちてしまう「あいだ」の感覚や見過ごしてきたものに対して、改めて立ち止まる時間をつくり出そうとする試みです。